ところで・・・
あなたはインプラント治療に何を期待されていますか?
固い物が食べられるようになる事でしょうか?それとも入れ歯を入れないでよくなる事でしょうか?確かにインプラントにはそう言った長所もあります。でもそれだけではありません。インプラントには皆さんが知らないようなもっとたくさんの利点があります。また、当然の事ながら欠点もあります。
これからインプラント治療の利点と欠点についてお話ししたいと思います。

インプラントの利点

1.インプラントの第一の利点は、入れ歯と違って固い物でも何でも快適に食べられることです。

治療前   治療後

 

あなたはインプラント治療を受けて、何を食べられるようになりたいですか?

 

2.治療後は、まるで歯ぐきから自分の歯が生えたかのようになりますので、違和感が非常に少ないです。

治療前   治療後

 

3.インプラントはチタンという金属で出来ていますので、虫歯になりません
吉田しげる歯科で採用しているインプラントは、世界的に流通しているスイスのストローマン社とドイツのアストラ・テック社のものです。それぞれ、ISO5832/IIASTM F-67-00の規格を取得しているグレード4チタンを素材としています。

 

4.また、意外と知られていない事ですが、インプラントは、周囲の歯を保護します。適切に治療されたインプラントは、天然の歯よりも噛む力に耐えられると言われています。歯を失った部分にインプラント治療を行なえば、両隣の歯の負担を減らす事ができます。


両隣の歯の負担を軽減

 

5.さらに、インプラントは治療部位の骨の吸収を抑制します。一旦歯を失ってしまうと、歯が在った時と比べ、噛んだ時の振動などの刺激が骨に伝わらなくなります。歯槽骨と呼ばれる歯の周りの骨は、歯からの刺激がなくなると、少しずつ萎んでいきます。  

 

このX線は 歯がなくなって20年間下顎に「総入れ歯」を使っていた方のものです。入れ歯では顎骨に適度な刺激が伝わらないので、下顎骨の高さが健康な方の半分ぐらいになっています。
 

しかし、インプラント治療を行なって歯槽骨に刺激が伝わる状況をつくれば、次の患者さんのように骨の吸収を抑制することができます。右下のX線はインプラント治療を行って10年後ですが、ほとんど骨の吸収が見られません。食事の度にインプラントから顎骨に刺激が伝わる事により、骨の吸収を食い止めているのです。

治療1年後

 

治療10年後

 

6.まだあります。インプラント治療は、歯ぐきで支える入れ歯と違ってギュッと噛んでも痛みがありません。ですから日々の生活で踏ん張りが利くようになります。(踏ん張る時には誰でもしっかりと噛み締めています。)吉田しげる歯科でインプラント治療を受けられた方は、同年代の総義歯を使用している方と比べて、とても活動的です。(注:私のクリニカル・インプレッションです。)

 

7.そして、私が今までインプラント治療を行なってきて感じる、インプラントの最大のメリットは何かというと、心身共に老けてしまわないという事です。歯を失うということは寂しい事です。

失った歯を入れ歯等で補うと、どうしても年を取ってしまったなという気持ちになりがちです。さらに入れ歯が噛みにくければ、楽しい団らんのひとときが失われてしまうかもしれません。食事が毎日の『楽しみ』から『苦痛』に変わる瞬間です。

それを避けるために失った歯の両脇の歯を削ってブリッジという治療をすれば、機能的には回復します。しかし、歯を失った後にさらに周りの残った歯を削るという事になりますので、治療によって自分の歯に新たなダメージを与えるだけでなく、ますます寂しい気持ちが強くなります。

  部分入れ歯による治療      本物の入れ歯

 

   ブリッジによる治療

   インプラントによる治療

しかし、あなたがインプラント治療を選択したら、失ったはずの歯が復活したような気分になります。さらに、みなさん何でも好きな物が食べられるし、治療前と比べて活動的になられる方もいます。つまり、心身両面においてアンチエイジングにつながるのが、インプラント治療の最大のメリットなのです。

 

インプラントの欠点

1.インプラント治療の最大の欠点は、手術が必要な事です。しかし、顎骨というものは感覚が非常に鈍いので、歯を治療する時と同程度の麻酔の方法で無痛の状態で手術を受けられます。一度インプラント治療を経験している方の話を聞かれればきっと納得される事でしょう。歯を抜くのに比べたら、治療後の違和感もずっと少ないです。また手術とは言っても、お口の中の小手術ですから、実質の治療時間は30分〜1時間程度で済みます。(注:診療室に滞在する時間はもっと長くなります。)私がインプラント治療を行なった方の術後の感想で一番多いのは、『もっと大変かと思っていた。』というものです。

2.噛んだ時の感触が天然の歯よりも少ないので、インプラントに無理をさせすぎる可能性があります。インプラントは強いので何でも噛めます。しかし強いインプラントにも当然限界があります。インプラントに無理をさせて、ウメボシの種のように固いものを食べ続けると、突然インプラントがグラグラしてきて抜け落ちたりする可能性もあります。治療後の食生活は担当の先生の指示に必ず従ってください。

3.インプラントは歯周病になる可能性があります。歯周病になったインプラントはそのままにしておくと抜け落ちてしまいます。吉田しげる歯科では、歯周病専門医による歯周病のチェックと治療を行っています。
★歯周病の方は、まず歯周病の治療を行ない、それに合わせてインプラント治療を行なうというのが、世界標準の治療です。

4.歯ぎしり癖や食いしばり癖等の咬合異常がある方は、本人も気づかずにそれが原因で歯を失っているケースが多々あります。その場合は咬合異常を咬合治療によって改善するか、あるいは咬合異常からインプラントを守る処置(夜間のマウスピース装着)を行なわないと、短期間でインプラントを失う可能性があります。

5.インプラントは治療費が高いです。ブリッジや入れ歯などの治療と比べ、治療費が高額になります。しかし、治療後に得られる様々なメリットを考えれば、決して高くないと私は思っています。その証拠に吉田しげる歯科でインプラント治療を受けられた方は、治療前には「インプラントって高いんですね〜。」とおっしゃいますが、治療後にはみなさん「高かったけど、やっぱりやって良かった。」とおっしゃります。
また例えば、1本の歯を失った方には1本のインプラントを埋入し、その上に1本の人工の歯を作っていきますが、3本の歯を失った方には2本のインプラントを埋入し、その上に3本つながった人工の歯を作っていけば治療費を低くする事が可能です。同様に考えていけば、上あるいは下の歯を全て失い総入れ歯になっている方でも、6〜7本のインプラントで治療を行なう事ができるようになります。(ブリッジ治療になるので、十分な顎骨が残っている場合に可能となります)

1本歯が失われた場合のインプラント治療   

 4本が失われた場合の3本のインプ
ラントを用いたブリッジによる治療

 

全ての歯が失われた場合の6~7本のイン
プラントを用いたブリッジによる治療

全ての歯が失われた場合の2本のイン
プラントを用いた総義歯による治療

 また、インプラント治療は医療費控除を受ける事ができますので、申請する事によりさらに治療費の負担を減らす事ができます。